今回はトバ湖畔の町パラッパから,
一気にスマトラ中部のブキティンギを目指す。
パラッパの旅行代理店で購入したチケットはパラッパのバスターミナルまでの送迎付きである。
350,000ルピアなので2,500円程度。うち700円ぐらいは仲介した旅行代理店の取り分だ。
街中からバイクで10分程度であった。
バスターミナルはかなり広大だが, 土地の広さに見合わず中に停まっているバスは少ない。
到着した時は出発5分前頃の16時55分。
代理店の前では既に乗客達が床に座ってバスを待っていてギリギリであった。
年末なので逃したら次バスに乗れるのはいつになるか分からない。
代理店の中にはチケット表が掲示されている。
ジャカルタ行きやバンドゥン行き超長距離バスもある。
流石に腰がぶっ壊れそうである。
またフライトチケットも扱っているようだ。
そして掲示板の前には立派なマリア像が置かれている。
やはりキリスト教文化圏である。
隣の店舗ではミシン作業をしている。内職中だろうか。
店舗の前で子供は伝統的な楽器なのだろうか, ミニ太鼓でリズムを奏でながら, 遊んでいる。
乗り込んだバスは下記のような大型のもの。
ツーリストバスではなくローカルバスなので値段は安く, 乗るのもかなり年季の入ったバックパッカーらしき一人の老齢の白人を除いて全て地元の人達である。
パラッパからトバ湖周りに南下する道路は帰宅時間帯だったのだろうか結構交通量が多く,
時折渋滞もしていてスムーズには進んでいなかった。
こんな少数民族の住む山奥の辺境地でまさか渋滞と遭遇するとは思っていなかったので驚きであった。
深夜に目を覚ますと夜11時を回っておりトイレ休憩の時間だった。
いつの間にか教会よりもモスクが目立つ地域に入っている。
夕食はインドネシアでよく売られているPoP MIEというカップ麺。
この日まともにご飯を食べていなかったので, 久々の食事だ。
値段は80円程度と安い。味もピリ辛だが, 日本人でも食べられる程度なのでなかなかいける。
トイレ休憩の折には深夜ゼロ時を過ぎた真夜中にも関わらず何故かギターを持った若者達がいるものだから不思議に思っていたが, どうやら彼らは旅芸人のようだ。
トイレ休憩からバスが出発すると10分程バスの中でギターを弾きながら歌を歌う。
(これがお世辞にも上手いとは言えないのだが。。)
一通り曲が終わるとチップを貰いに乗客を回るのだ。
自分が座っていた窓際の席は届きにくいためマシなのだが,
通路側だと断りにくい雰囲気もある。
この後のバス旅行でも彼らのような流しのギタリストを沢山みかける事となる。
また何故かドリアンを購入した猛者がいてしばらく激臭が車内に蔓延するなど単にバスに乗っているだけでも色々なイベントが発生するからこの国は面白い。
まだ朝までには時間があり再びバスの中で眠りにつこうとする。
しかし鶏の鳴き声が時折聞こえてくる。どうやら深夜バスに鶏を持ち込んでいる乗客がいるようだ。。
トバ湖からブキティンギまでの道はパックパッカーの神様とも呼ばれる作家の下川裕治をして世界四大悪路と言わしめたルート。
確かに揺れはあるのだが, どこでも寝られる体質が幸いしていつの間にか熟睡していた。朝5時ぐらいの途中休憩も降りずに寝続けた。
しかし朝9時頃太陽の光に目を覚ますとバスが止まっていた。
北スマトラ州から西スマトラ州に入る州境を超えた頃だったと思う。
道が曲がりくねっているため先まで見えないのだが,
どうやらバスやトラックの長い列ができているようだ。
列の先まで歩いて行ってみると, そこにはスタックするトラックの姿が。
バイクや自動車は横から通り過ぎて行く道幅があるのだが, バスやトラックは曲がり切れないので立往生していたようだ。
集まった人達が協力してトラックの荷台に積まれた土嚢のような荷を一つ一つ降ろしていく。
そして荷が空になったところで・・・
1・2・3を意味するサトゥ・ドゥア・ティガーの掛け声で皆でトラックを押し込む。
・・・が、ダメ!
コンクリート破損部にタイヤがスタックしたトラックは人の力ではなかなか抜け出せない。
皆困って騒いでいる一方で, インドネシアらしい光景だなと一人感慨にふけっていた。
日本でも東名高速道路ができる前はこんな感じだったのだろうかとか考えてしまう。
でもこのままでは自分も次の町へ辿り着けそうもないのでインドネシア人に混じって一緒にトラックを押す国際協力をする。
でも国際協力の甲斐なく, 離脱する事はできなかった。
結局別のトラックにワイヤーで引っ張って貰う事でようやく脱する事ができた。
(最初からそうすれば良かったのにという気もするが。。。)
そして正午を回った頃ようやくブキティンギに到着である。
ここまで来ればスマトラ島も半分程を南下した事になる。
ブキティンギは観光の町だけあってよく整備されていて気持ちの良い街だ。
高原地帯だから空気も良いのだろうし, 気温も心地よい。
外国人対応のゲストハウスも中心部に複数あって探すのにも困らなかった。
今回は下のHello Guest Houseに到着。
少し休んでから街に繰り出す事にした。