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【世界旅ブログ】アジアの辺境・奥地へ

中東の国々を日本に例えたら前編

近年のISの台頭と壊滅作戦、クルド民族問題、シリアのアサド政権や化学兵器ドローンによるサウジアラビア製油所爆撃ホルムズ海峡タンカー襲撃イラン革命防衛隊精鋭部隊の司令官暗殺アフガン駐留米軍の撤退タリバン支配、ISIS-Kによるテロ攻撃とますます混迷を深める中東情勢

エネルギー安全保障ともからむだけに日本とも密接な関係があるが, 中東地域の国々には馴染みがないし, 何が何だかという人もいるかと思う。

そこで今回は多数の個人的な偏見を含みつつも中東各国のキャラクターを日本の都道府県に例えて紹介してみたい。

 

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1.UAE:東京都

武家社会で質素な首都のアブダビは東京の霞ヶ関・永田町・日比谷・赤坂

高級ショッピングモールやナイトスポットの多い開放的なドバイの新市街は東京の銀座・新宿・渋谷・表参道だろうか。

歴史的経緯から各首長国の独自性が強いのが特徴のUAEではドバイ・アブダビ以外の首長国に出かけると一転してのどかな昔ながらの様子も見られることができ, 一つの都道府県ながら西の八王子や離島を抱えて様々な側面のある東京都のイメージ。

またドバイの旧市街である下町地区は入り組んだ路地で構成され上野・御徒町・浅草・池袋・秋葉原のような活気ある商店街地区である。

そして博物館・美術館のあつまる上野公園は昔ながら街並みをお洒落に整えたバスタキヤ地区

中東三大航空会社のうちエミレーツ航空エティハド航空という二つの世界的航空会社を持つ交通拠点でもあり、頻繁に多数の新幹線が発着する東京駅のようだ。

京や大阪と比べると新しい街になる江戸だが, UAEも近年独立した比較的新しい国である。

東京の下町にそびえるスカイツリーはドバイのダウンタウンにあるブルジュハリファだ。

 

2.イラン:京都府

古くから都として栄えた歴史ある京都。イランは古代のペルシャ帝国をはじめとして伝統文化が多彩な国。この地域での文化の覇者であったが、京都も日本の伝統文化をリードする町だ。

今の湾岸アラブ国家はイランと対立しているが例えばUAEが誇るグランドモスクでは世界最大のペルシャ絨毯をかつては売りにしていたことからもわかる通り本来文化的には深い繋がりがあるのだ。

ペルシャ文学は古くから栄えたが京都も平安時代などの古典文学を代表する場所だ。

またアメリカをはじめとする世界最強級国家に喧嘩を売りに行くスタイルは東京や大阪など日本最強クラスの都道府県さえナチュラルに見下してしまう京都人さながら。

宇治や福知山や天橋立など地方も面白いが, テヘランだけでなくイスファハーンなど首都以外にも見どころの沢山あるイランのようだ。

京都は山に囲まれた盆地として有名だが、テヘランもまたザグロス山脈などに囲まれた盆地である。

 

3.バーレーン:神奈川

保守的なアラブ圏にありながら非常に開放的な雰囲気の国。ガルフで最も早くから石油が採掘されていただけあり, 欧米文化に対して寛容的

日本に例えたらかつてペリーの来航により開かれた港で栄えた神奈川だろうか。

お酒を飲むことができるなどナイトライフが充実しているため週末ともなればサウジアラビアからマナーマ周辺に夜遊びに来る不良アラブ人で溢れるのは横浜や川崎の繁華街といったところ。

平日にはサウジアラビア東岸の石油産出地帯で働く外国人労働者が週末に大挙として両国を結ぶ橋に押し寄せて渋滞を作るのはさながら首都圏の通勤ラッシュだ。

また米海軍の中東地域を管轄する第五艦隊の母港があるのはさながら第七艦隊の母港のある横須賀だ。

かつては世界的な真珠取引の拠点でもあったバーレーンだが, 横浜も外資が多く横浜港は貿易拠点である。

真珠商人の集まった世界遺産地区ムハッラクは神奈川の古都鎌倉か。

 

エデンの園とも言われるほどこの地域では豊かな土地であるバーレーンだが箱根や横浜・鎌倉など遊興先として人気なのも共通。

元々は東京と同じ武蔵の国である神奈川県。日本では東京大阪に次ぐ第三の県と呼ばれつつも所詮東京の首都圏に過ぎないと言われるが地元民の自尊心は高い。一方でバーレーンも過去にはUAEと一緒の国として建国しそうになったが寸前のところで離脱して一人立ちとなった経緯がある。

 

4.イスラエル兵庫県

外資系企業が多く立地している近代的雰囲気はさながら神戸のよう。イスラエルもまたハイテクノロジーを売りとする企業ベンチャーの盛んな国だ。

かつては杉原千畝ビザによるユダヤ人難民たちが一時的に滞在していた場所でもある。

また瀬戸内海側と日本海で異なる顔を見せるのもパレスチナ自治区という異なる顔のあるイスラエルだ。

そして情報機関やマフィアが有名で不安定要素を抱えながらもセキュリティが厳しすぎて中途半端な悪ははびこらないのは、日本最大の暴力団を抱える兵庫県か。

三菱重工に代表されるように軍需産業に強いのも共通するポイント。

 

5.エジプト:大阪府

ピラミッドを求めて観光客が多く訪れるエジプトはコロナ前の数年インバウンドで訪問客急上昇していた大阪。ほかのアラブ国の民とは違って単に商売上手なだけでなく人付き合いがうまいこてこてスタイルは大阪のミナミ風だ。

都市のすぐ近くにテーマパークのようなピラミッドがあるのはUSJというディズニーリゾートとも競合するほどのテーマパークを持つ大阪だ。

洗練されたアレクサンドリアの港は堺であり、

ナイル川スエズ運河をもつ水の国でもあるが, かつて水路が縦横に走り水の都とも称された大坂のようだ。

アラブ諸国では最も早くに兵庫県ことイスラエルを国家として承認した国はお隣の存在だ。

かつてはアラブ世界における政治・経済のリーダーであったエジプトは世界で最も早く先物取引市場が発達しかつて日本の経済活動の中心地だった大阪のようだ。

 

6.サウジアラビア:鹿児島県

アラブを代表する国家であり超保守的な国。日本で言ったら著名な維新志士戦国の猛将を沢山輩出した鹿児島だろうか。

火山灰など過酷な気象環境を生き抜く根性も備えるのは灼熱の砂漠にいきぬくベドウィンだ。

保守的でありながらアメリカと仲良いのは薩英戦争を経て欧米から学ぼうとした薩摩を思い起こさせる。

気質は我慢強さや、無骨さ、頑固さといったところだろうか。

西郷隆盛など、近代日本の政治や軍事の礎となった鹿児島はイブンサウドやオサマビンラディンを排出し現在のアラブ世界を代表する人物を輩出したサウジアラビアだ。

 

7.クウェート長崎県

湾岸戦争イラクの侵攻により国が一度は廃墟と化したとは思えない発展ぶりのこの国は奇跡的ともいえる原爆からの復興の道を歩んだ長崎県

かつてダウ船の造船所がそこら中にありつちの音が国中に鳴り響いて栄えたこの国だが長崎もやはりまた三菱グループの源流ともいえる三菱重工の造船所をはじめとして様々な企業の造船所を持つ。

中東ではバーレーンに次いで米軍の駐留が多いこの国は佐世保のようだ。

 

8.イラク:福岡県

かつて古代文明が栄えた神話の国邪馬台国の存在も噂される福岡県。

大宰府をはじめとする古代文化でも有名だが、イラクではチグリス・ユーフラテスと二つの大河を抱える恵まれた立地条件からメソポタミア文明が栄えた。

数々の戦争当事者となったこの国は多数の指定暴力団が本拠を置き修羅の国とも啓容される福岡県。

世界各国から一攫千金を夢見た出稼ぎ労働者が命の危険に晒されながらも米軍基地などの軍事施設で働いている。

治安はすこぶる悪いが、同じく治安の悪い国として有名なアフガンと異なるのはその豊富な地下資源である。

中東湾岸諸国同様に巨大な石油資源を抱えるこの国だが、福岡県もかつては炭鉱の地下資源開発が盛んな地域であった。

 

 9.カタール:埼玉県

世界一つまらない町として有名なドーハ。

本当は遺跡とか色々あるのだけれども, 他の国と比べて超保守的でもなければ超革新的でもない。外国人移民が高いのもアラブ諸国の代表的な特徴であり, アラブ国家の平均的な国といえる。

そんなカタール日本の平均値とも言われる埼玉県。

実は歴史的古墳とかありつつも観光面では人気のない埼玉はまさに日本のカタール

空気を読むのに長けて温和でサポートが得意な埼玉県民らしくアラブとその他の利害対立国との橋渡し的存在をしていたら両方から仲間外れにされてしまう悲哀の国でもある。

何気にアルジャジーラという中東一有名なメディアを抱えるこの国はNACK5という人気ラジオで関東全域に影響力を持つ埼玉県か。

埼玉ではプロサッカーが人気だが, ワールドカップ初出場を逃したドーハの悲劇の舞台もここ。また2022年のワールドカップ開催国である。

また中東三大航空会社の一つであるカタール航空を持つ国だが, 交通博物館があり東日本全域に向かう新幹線路線網の一大拠点である埼玉県。

 

10.アフガニスタン広島県

南アジアに分類される事もあるので中東に含めるかどうかは賛否あるが, もし例えるとしたら広島県ではないか。

帝国の墓場とも言われるこの国はその時代その時代の覇権国が侵攻した結果頑強な抵抗により落ちぶれる原因を作った国

国内最大の暴力団である山口組の進出さえ退けた広島ヤクザのようである。

国内には地元の民兵組織や地方軍閥などが群雄割拠している結果、ソ連アメリカすらよせつけない状況と化している。

多数の民族を抱えて様々な武装集団(かつたいてい一枚岩ではない)を抱えてドラッグの産地でもあるこの国はまさに修羅の国である。

 

11.パキスタン岐阜県

イギリス統治時代にはインドと同じ国扱いであったが, 一つの独立国である。

山に囲まれて風の谷とも言われ、ナウシカのモデルと言われる村もあるほど安全だった時代に旅したシニアのバックパッカーには人気だった場所である。

一時期は君の名は聖地巡礼でも話題となった。

そんなパキスタン奥飛騨の山々を抱え、白川郷・飛騨高山など伝統の残る街も多くある岐阜県ではないだろうか。

パキスタン人はまだまだ民族衣装を着る人が多く伝統を大切にする気質。

山々を超えていくトラック運送業では派手に着飾ったデコトラが非常に有名だ。

岐阜県西濃運輸をはじめトラック運送業が強い県。

またアフガンからソ連を追い出す主役となったムジャヒディンと呼ばれるイスラム戦士たちを育てた国でもある。岐阜県も天下分け目の関ヶ原の戦いの舞台となり、また斎藤道三織田信長など戦国時代において中心となった土地でもある。

 

12.ヨルダン:島根県

世界的な観光地であるペトラ遺跡を持つ。

戦争の多い中東の中ではイスラエルが隣接しながらも比較的まったりした空気。

中東屈指の観光国。ドバイやクウェートカタールなどが作られた観光国家であるのに対して元来の伝統的遺産を利用するタイプ。

都道府県に例えるなら出雲大社など伝統的な建築物を持ちながらもいまいち存在感のない島根県だろうか。

 

13.レバノン静岡県

かつて地中海をわがものとした海の民であるフェニキア

開放的な雰囲気のある港町でもありながら後背地には山脈がそびえ立っている。

山と海を抱える国でレバノンが特産である。

伊豆下田を持ち海沿いの開放的な気質でありながらも、富士山南アルプスを抱えて大井川鉄道など山の側面もある静岡県レバノンのようである。

中東のパリとも称され過ごしやすい気候のレバノンはサーフィンなども楽しめるリゾート地として静岡県がしっくりくる。

レバノンカルロス・ゴーンをはじめとする著名な経営者を輩出したが、静岡県もまたトヨタの初代となった豊田家をはじめホンダスズキヤマハなど世界的に有名な起業家・企業を輩出した。

レバニーズレストランは中東で幅を利かせるアラブ料理の元祖的な存在でもある。

 

14.オマーン奈良県

古くからの文化を大切にする国。

性格は攻撃的・保守的・開明的でもない自然と調和した生き方をしている気がする。アラブ圏では文化遺産も非常に多く観光に訪れる価値は十二分にあるのだが, サウジアラビアUAEの陰にいつも隠れがちなのは京都や大阪に隠れがち奈良県のよう。

実は東アフリカなども含めてかつてインド洋にかなりの規模を誇った海洋覇権国家だったのも、かつては平城京で日本の都として栄えた奈良県と共通している。