帰路
河の対岸から自転車ごと小型船に乗せて戻る。
欧米人親子と一緒だった。船の出航はどうも払う額次第ですぐに出してくれるようだ。
もどってきた後に自転車を借りたショップに一言いってもう少し乗らせてもらう。
(確かパスポートかデポジットを預けるシステムなので店側にとって逃げられる心配はあまりないのだろう)
サイクリング先は前編で訪れたクロントム市場に隣接して広がるクロントイスラム。
クロントイスラムへ
高速の高架下からスラム方向へと入っていく。
最初は産業用トラックなどが駐車されているのが目に入るくらいだったが、奥へと進んでいくほどバラック小屋が目に付くようになってくる。
横の小屋からもの凄い大きな声や歓声が聞こえてきてびっくりしたのだが、どうやら中で男達が賭け事に夢中だったようだ。
こんな感じで不法建築のような家屋が多くなってくる。
洗濯ものが外に干されており生々しく生活感あふれる。
きちんと舗装されたエリアへと入っていくとそこは大きな五階建て程度の団地が何棟も並び、その付近でも住居が密集する下町エリア。
野犬は怖いが住民たちは明るい雰囲気で治安の悪さは全く感じない。
活気のある下町エリアといった印象だ。
地域内の公園でも子供達が元気に遊んでおり平和な雰囲気だ。
公園内にあったコンクリートの施設ではトイレや更衣室の他にもムエタイジムがあった。ムエタイは特に貧困層において成り上がれる手段でもあり、人気のスポーツだ。
隣接する家屋のつくりはやはりもろそうだ。
近くの川?はゴミがひどくて異臭を放つドブ川になっていた。
一見区画は整備されているようにもみえるが、一歩路地に踏み入れるとこんな感じ。
家と家の隙間といった雰囲気。
こんな細い路地を普通にモーターバイクが走ってくるから気が抜けない。
地元の人達ともしばしば会うが挨拶すれば皆返してくれるし穏やかな雰囲気だった。
ただ、何故か牢屋みたいなところに場所に閉じ込められている人もいた。なんでだろうと思っていたが、どうも薬物中毒者が手を出さないようにするためにそういう形にしておくことがあると聞いたので、それなのかもしれない。
こちらは土地的には明らかに不法建築だろう。
仏教の施設も。
ちなみに東日本大震災の時に話題となったスラム街における募金活動はこの町のことであった。歩いていて分かったが全く殺伐とした雰囲気はなく人々がお互いを気に掛ける街の雰囲気。そういった人情故にこういった活動も自然発生的に行われたのだろう。
地域の中には日本の援助でできた教育施設もあるそうで日本とタイの絆を代表する街でもあるようだ。